近頃作業着ブランドが熱い
近年作業着ブランドがアウトドアウェアに進出してコストパフォーマンスの高いプロダクトを提供していますよね。
ワークマンはこのムーブメントを牽引する存在ですが、手袋についてはショーワグローブ株式会社がその役割を担っているのではないでしょうか。
ショーワグローブ株式会社と聞いてもピンとこない方もいらっしゃるかもしれないがアウトドアで「TEMRES」と聞けばあぁと頷く方もいらっしゃるでしょう。
https://www.showaglove.co.jp/special/temres/
「TEMRES」アウトドア向けにショーワグローブが作ったグローブですが、今回紹介するのは、そのベースになった産業用モデルの「防寒テムレス」です。
防寒テムレスとは
防寒テムレスのベースとなるのは透湿防水性作業手袋「テムレス」。コレに裏起毛を施したものが防寒テムレスです。
防寒テムレスは、農林水産業などの過酷な屋外作業において、寒冷地で防水と防寒を兼ね備える手袋のニーズに対応するためのモノです。
- 透湿性と防水性を兼ね備えた素材ポリウレタンを採用。汗などの湿気を手袋外部に放出することで、作業中のムレを軽減します。
- 手袋内部に起毛させたパイル地を採用することにより、保温性を高めています。
- 低温下でも柔軟性を保ちます。
- 特殊樹脂をコーティングしているため、高いスベリ止め効果を発揮します。
ショーワグローブ株式会社 メーカーサイトより
自転車用グローブに使えるか?
産業用防寒手袋を何故自転車用に使おうと考えたかというと、あの防寒性と防水性が自転車乗り的に非常に良いんじゃなかろうかと思ったらから。すでに身の回りで使っている方もいらっしゃいますが、やっぱり自分で使ってみないと良し悪しは見極められないですからね。
というわけで通勤ライドやトレイルライドで実際に使ってみました。しばらく使ってみてメリットデメリットが見えてきたのでまとめてみました。
メリット(良いところ)
- 最強の防水防風性
- 汚れに強い
- お値段がお手頃
1つめのメリットは防水防風性の高さ。
基本的にいわゆる「ゴム手袋」なので防水性と防風性は完璧。実際にはゴムではなくポリウレタンを使っていて透湿防水なので手のムレも軽減され、ドライ感が保たれるので裏地のボアも湿気りにくくより手が冷えにくいです。雨や雪がしみ込んでこないのは寒冷地では正義。
2つめのメリットは汚れの強さ。
自転車がちょっとトラブったとき、例えばチェーンが落ちたとか。サイクリンググローブだと油汚れが付くのが気になるし、いったん油汚れが付くと落とすのに苦労しますが、防寒テムレスは作業手袋なので汚れても簡単に汚れが落ちます。防寒テムレスを手に付けたまま、洗剤を少しだけつけてそのまま手を洗うように手袋を洗えば完了。当然ですが手はぬれません。
3つめのメリットはお手頃なお値段。
実はこれが導入の最強の動機だったりします。冬用のサイクリンググローブもお値段はピンキリですが、国内有名メーカーの冬用グローブだとAmazon価格でおおむね¥4,000-くらいからといったところでしょうか。それに比べて防寒テムレスは実勢価格¥1,200-程度。お財布に優しい。安いからと言ってすぐに破けては元も子もありませんが、丈夫さは抜群です。
デメリット(イマイチなところ)
- サイズ感が大雑把
- 操作感は見た目どおりあまり良くない
- 思っていたほど温かくない
1つめのイマイチなところはサイズ感。
実は今回防寒テムレスを2サイズ買いました。近所に試着できるところがなかったので、まずはMサイズを購入。奥さんのために購入と言いつつ、私もがっちり試着したところ、素手で着用した場合でもピッタリよりやや窮屈な印象。というわけで自分用にLサイズを購入したらこれが素手だと若干緩い。。。
Mサイズの手のひら周り21.5cm Lサイズの手のひら周り24.5cm サイズピッチが3.0cm刻み。
そして私が夏に愛用しているGIROのDNDはサイズピッチが1.5cm刻み。ちなみにMサイズとLサイズでリブの色が違う事に気がつきました。夫婦で同じカラーを使っているので、コレは意外に便利です。
さて、この時点でジャストフィットを目指すのが困難であることがよくわかります。私の場合は薄手のインナーグローブを装着して、それからLサイズの防寒テムレスを装着するとちょうど良い感じになりますのでそれで運用しています。インナーグローブがあると洗濯頻度も減らせるし、なにより温かいのがGOODです。
2つめのイマイチなところは操作感。
メーカーの想定外の使用方法なので当然ですが、繊細なレバータッチとかいうインプレッションからは対極の存在です。操作感はほぼ見た目通りのゴワゴワした感じ。「操作感を優先して冬でも指切りグローブです!」というライダーからすれば発狂ものでしょう。とはいえ操作できないかと言えば私はそんなことないとは思います。手がかじかんで感覚がなくなることを思えば。それでいてサイクリンググローブでも防寒性を優先しているものは総じてゴワゴワ感があるので、それと比較すると圧倒的に操作しづらいわけではありません。一緒くらいかな。表面のグリップが高いので、手が滑らないというのもポイント。
3つめのイマイチなところは「思っていたほど温かくない?」
これは事前の期待値もありますが、氷点下でのトレイルライドでインナーグローブなしの単体使用の場合、指先は冷たく冷えを感じました。あったかホカホカ~って感じではありません。これはインナーグローブを併用することでかなり改善されました。ちなみに通勤ライドで使ってみたときは暑くて汗をかくくらいでしたけど。防寒テムレスの防寒性の肝は裏起毛部分であって、表面のポリウレタンは防水防風が目的。保温層としては薄めです。
シチュエーションによっては最強
防寒テムレスは従来のサイクリンググローブと比較すると、圧倒的な防水防風性があってそれでいて裏起毛で保温性が確保されている点が強み。それでいて汚れに強くて丈夫でコスパも良いので気兼ねせずラフに使えるのがいいですね。
というわけで以下がおすすめの使用シーンです
- 雪・雨の日の通勤ライド
- スノーライド・トレイルライド
毎日の通勤ライドではコスパ最強なので気兼ねせずラフに使えるのがいいし、雨で濡れないのは気分がいい。
トレイルライドではこけて土で汚れることもあるでしょうし、スノーライドなら尚更。コケたうえに手が濡れたら最悪、、、でも防寒テムレスなら大丈夫。途中で雪だるまを作っても手はぬれません。
寒さが厳しい日はインナーグローブを併用して温度調整すればある程度の温度帯で使用できるでしょう。
まとめ
防寒テムレスは冬用のサイクリンググローブの1つの選択肢としてアリです。防水性と保温性が求められるシーンでは最強。私も冬のライドの心強いお供として、今後も通勤からトレイルまで毎日活躍してくれるでしょう。